新鮮でないと食せない魚「ソウダガツオ」

水揚げ

ソウダガツオは鮮度が落ちやすく、生食に向かない魚ですが、宗田節に加工されると高級な出汁(だし)となる最高の魚です。土佐清水ではこのソウダガツオを伝統の引き網漁法で一尾一尾丁寧に釣り上げ、更に鮮度を保つため十分に冷却したまま直近の港に水揚げします。

長年の経験と勘

釜立て・煮熟(しゃじゅく)

まず始めにソウダガツオを煮籠にきれいに並べる「釜立て」作業を行った後、大きな釜で1時間程煮立てます(煮熟)。煮熟はその時のソウダガツオや季節ごとの状態により釜の温度や煮立ての時間を調整します。最高級の宗田節を作るためには長年の経験と勘が必要です。

すべて、職人による手作業

セイロ取り

骨抜きともいうセイロ取りは、熱湯で肉質を引き締めたのち、身を開き、頭と内臓、中骨を取り除く作業です。この作業は、機械では対応できないため、全て職人による手作業です。素早く一尾一尾丁寧に捌く作業は熟練された職人のなせる技。ここで手を抜くと、次工程の焙乾の際に、ひび割れの原因となるので、セイロ取り作業はとても重要な工程です。

ひと時も気を抜けない、1週間に渡る勝負どころ

セイロに並べられたソウダガツオを焙乾します。焙乾とは、水分を蒸発させ煙によって豊かな香りをつける工程です。ソウダガツオを並べたセイロを積み上げ、焚き納屋で火にかけます。瞬く間に焚き納屋は煙で充満します。焙乾は1週間かけてじっくりと水分を飛ばし、香り付をします。天候や風向きで、火力や煙の量を調節する、熟練の技と経験が生かされる工程です。

土佐清水の潮風と香りが宗田節を育みます

宗田節の最後の工程、天日干し。天気のいい日に半日ほど日光浴をさせます。潮風と太陽の陽を浴びることで、うまみ、コク、香りが凝縮された宗田節になります。

当社の宗田節の焙乾で使用するマキは、主に桜の木、どんぐりの木、ならの木です。特に桜の木を使用することにより風味豊かな、深い味わい節に仕上がります。細部にこだわった製法で美味しさを作りだしています。